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How to 会社設立

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よくあるお問い合わせ Q&A

 04.合同会社(LLC)について

  Q.合同会社(LLC)とは、何ですか?
  Q.合同会社(LLC)の特色について教えてください。
  Q.現在、個人事業主ですが、取引先に「法人化」を求められました。
     選択肢として「合同会社」を検討しているのですが?

  Q.合同会社(LLC)は、何人以上で設立できますか?
     合同会社(LLC)は、「合同」なので1名では設立できないのでしょうか?

  Q.現在、株式会社を経営していますが、別法人として合同会社(LLC)の設立を考えているのですが
     問題ないでしょうか?

  Q.「社員」とは従業員のことではないのですか?
  Q.合同会社(LLC)の社員は、誰でもなることができますか?
  Q.「業務執行社員」は、「社員」と何が違うのですか?
  Q.業務執行社員に関する注意点を教えてください。
  Q.「代表社員」とは何ですか?
  Q.法人は、合同会社(LLC)の代表者になることができるのですか?
  Q.定款って何ですか?
  Q.合同会社(LLC)の設立に際して定款認証は必要ですか?
  Q.合同会社(LLC)の商号を決定する際に注意すべき点は何ですか?
  Q.合同会社(LLC)の事業目的を決定するうえで、注意すべき点を教えてください。
  Q.合同会社(LLC)の本店はどこでも良いのですか?
  Q.合同会社(LLC)に出資できる財産に制限はありますか?
  Q.出資金の払い込みのために使用する預金通帳は何でも良いのですか?
  Q.出資金の払い込みはどのようにすれば良いのですか?
  Q.合同会社(LLC)の資本金の額は、いくらにすべきですか?
  Q.合同会社(LLC)の公告方法は、何を選択すべきですか?
  Q.合同会社(LLC)の事業年度を決める際に、注意すべきことは何ですか?
  Q.合同会社(LLC)で使用する印鑑について注意すべき点は何ですか?


  合同会社(LLC)とは、何ですか?
Answer

合同会社は、有限=Limited、責任=Liability、会社=Companyのそれぞれの頭文字をとって「LLC」と呼ばれています。
合同会社(LLC)は、会社法施行により新設された事業体で@有限責任A内部自治を特徴としています。

合同会社(LLC)では、出資者は社員と呼ばれ、合同会社(LLC)の根本規則を「定款」として定め、社員は定款に従って運営を行います。


  合同会社(LLC)の特色について教えてください。
Answer

株式会社は、原則として出資比率=会社支配比率です(※1)。つまり多額の財産を出資した株主が、強い権限を持ち、中心となって会社を運営することが一般的です。
会社法施行により新設された合同会社(LLC)においては、出資比率≠会社支配比率とすることが可能です。

例えば、Aさんは能力と出資金1%、Bさんは出資金99%を出資したとします。株式会社であれば、損益配分や議決権の割合99%をBさんが取得することになります。一方、合同会社(LLC)では、損益配分や議決権の割合についてAさん90%、Bさん10%といった具合に比率を自由に設定できるのが特徴です(※2)
合同会社(LLC)は、人の能力とお金のパワーバランスを自由に決定できる「人的組織」です。従って、「資本金ありき」ではなく「人ありき」のビジネス、すなわち、大きな資本を必要とせず人の能力・ノウハウだけで完結できるビジネスに向いています。
(※1)株式会社では、種類株式などの活用により、出資比率≠会社支配比率とすることが可能です。
合同会社(LLC)に類似する会社として「合名会社」「合資会社」という事業体がありますが、いずれも原則として会社の負債や損害のすべてを負うことになる「無限責任社員」(出資者)が必要とされるため、あまり有用的ではありません。

一方、合同会社(LLC)は、社員の責任は出資した分だけ責任を負えば良いという「有限責任性」が特徴です。
(※2)損益分配の割合の根拠に、経済的合理性がなければ、贈与や寄付金課税等の対象となるおそれがあります。各社員の事業への貢献度や労務を総合的に算定した理由や算定式を明らかにしておかなければ、思わぬ税負担を強いられることがありますので注意が必要です。


  現在、個人事業主ですが、取引先に「法人化」を求められました。
選択肢として「合同会社」を検討しているのですが?
Answer

どの事業体を選択すべきかについては、お客様の置かれている状況次第で異なります。

「法人化」についてですが、個人事業より「法人化」している方が、社会での信用力に差があることは歴然です。個人ですとどうしても事業の継続性に疑問符が付き、取引先としては不安を抱くこともあるでしょう。

ただし、「法人化」すべきか否かについてや、どの事業体を選択すべきかについては、それぞれのメリット・デメリットをお客様の事情に照らし合わせて、把握・検討し決定すべきだと考えます。
具体的な状況を踏まえたうえで、専門家に相談し適切な事業体をご選択ください。


  合同会社(LLC)は、何人以上で設立できますか?
合同会社(LLC)は、「合同」なので1名では設立できないのでしょうか?
Answer 合同会社(LLC)は、最低1名以上で設立が可能です。
合同会社(LLC)は、原則として社員の全員一致によって運営されますので、迅速かつ柔軟な意思決定が可能という特性を生かすためにも、あまり大規模な組織には適しておりません。
なお、社員(出資者)は、最低1円以上出資する必要であるため、合同会社(LLC)は、1円以上で設立できます。

  現在、株式会社を経営していますが、別法人として合同会社(LLC)の設立を考えているのですが問題ないでしょうか?
Answer

はい、問題ありません。

合同会社(LLC)の特徴や株式会社との違いをしっかり理解することが大切です。株式会社は株式という「出資比率」がモノを言う資本の論理のある会社ですが、合同会社(LLC)は、いくら出資したか、議決権がどれだけあるかではなく全員一致が原則であるという点に注意が必要です。


  「社員」とは従業員のことではないのですか?
Answer 「社員」とは、合同会社(LLC)に出資し、業務を執行する人のことをいいます。
会社設立手続としては、1円以上を出資し定款に「社員」として署名(記名・押印)した者のことをいいます。
従って、会社が雇用する「従業員」とは役割と責任が異なります。

  合同会社(LLC)の社員は、誰でもなることができますか?
Answer 合同会社(LLC)の社員になることのできるものは、個人又は法人とされています。従って、法人格のない団体(民法上の組合や有限責任事業組合(LLP)など)は社員になることができません。

  「業務執行社員」は、「社員」と何が違うのですか?
Answer 合同会社(LLC)の社員は、原則として社員全員が出資し業務を執行します。つまり、社員の全員が経営について決定権を持つことになります(出資者=経営者)。
社員の中には、経営への関与を望まない人もいるはずです。そこで、定款又は社員全員の同意により、「業務執行社員」(社員のうち特に業務を執行する社員)を定めることによって、経営に携わらない社員を置くことができます。株式会社の「株主」に似た性質を有する出資者を実現できるのです。
(※)業務執行社員ではない社員は、業務執行社員の業務と財産の状況を監査する調査権を有します。

  業務執行社員に関する注意点を教えてください。
Answer 業務執行社員には、原則として@善良な管理者の注意義務(善管注意義務)、A忠実に職務を行う義務(忠実義務)、B競業禁止義務(※)やC合同会社(LLC)の利益に反する行為の禁止(利益相反規制)などの責任が課されます。
また、法人が業務執行社員となる場合は、その法人の「職務執行者」を選任し、他の社員にその者の氏名及び住所を通知しなければなりません。
(※)【競業禁止義務】
@自己又は第三者のために合同会社(LLC)の事業の部類に属する取引をしてはならない。
A合同会社(LLC)と同種の事業を目的とする会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員になってはならない。

  「代表社員」とは何ですか?
Answer 「代表社員」とは、業務を執行する社員から選ばれた合同会社(LLC)を代表する社員を いいます(※)。株式会社の「代表取締役」に該当するもので、会社を代表して取引契約の 締結など対外的な行為をすることができる権限(代表権)を有します。
(※)代表社員を特に選ばなかった場合は、業務執行社員全員が代表社員に該当します。

  法人は、合同会社(LLC)の代表者になることができるのですか?
Answer はい、できます。
なお、法人が合同会社(LLC)の代表者である「代表社員」になる場合は、その法人の「職務執行者」を選任し、他の社員にその者の氏名及び住所を通知しなければならないことにご注意ください。

  定款って何ですか?
Answer

定款は「会社の憲法」とでもいうべきもので、合同会社(LLC)の組織、活動や運営について定める根本規則です。合同会社(LLC)の様々な手続きは定款に基づいて運営されますのでとても重要なものです。


  合同会社(LLC)の設立に際して定款認証は必要ですか?
Answer 合同会社(LLC)の設立には定款認証が必要ありません。合同会社(LLC)において定款の作成は必要ですが、公証人による認証手続は不要です。

  合同会社(LLC)の商号を決定する際に注意すべき点は何ですか?
Answer 合同会社(LLC)の商号を決定する際には、以下のルールに注意が必要です。
【合同会社(LLC)の商号に関する主なルール】
  • 「合同会社」という文字を商号中に使用しなければなりません。
  • 会社の一部門を示す文字は使用できない場合があります。
    ex.合同会社リーガルコンパス名古屋支店
  • 使用するために、一定の要件や許認可が必要な文字があります。
    ex.「銀行」「消費生活協同組合」「信託会社」「保険会社」「証券会社」
  • 使用できる文字には制限があります。
    使用可能な文字は、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、アラビア数字や「&」、「’」、「,」、「−」、「.」、「・」などの符号
※字句(日本文字を含む。)を区切る際の符号として使用する場合に限り用いることができます。商号の先頭又は末尾に用いることはできません。ただし、「.」(ピリオド)については、省略を表すものとして商号の末尾に用いることが認められています。(法務省「商号にローマ字を使用することについて」より)

  合同会社(LLC)の事業目的を決定するうえで、注意すべき点を教えてください。
Answer 合同会社(LLC)の「目的」(事業内容)の決定に際して、注意すべき点は「株式会社の目的」の場合と同様です。

  合同会社(LLC)の本店はどこでも良いのですか?
Answer 合同会社(LLC)の本店は、活動拠点となる場所です。社員の自宅など(マンション・アパートを含む)を本店として定めることもできます。合同会社(LLC)の本店について注意すべき点は、「株式会社の本店」と同様です。

  合同会社(LLC)に出資できる財産に制限はありますか?
Answer 出資財産については、貸借対照表上の資産に計上可能なものであれば種類を問いません。例えば、金銭、不動産、動産(ex.自動車)、第三者に対する債権、有価証券、知的財産権などは、いずれも出資できます。
ただし、社員が有限責任しか負わない合同会社(LLC)では、債権者保護の観点から労務や信用を出資財産として提供することは制限されています(会社法576条1項6号)(※)
なお、出資比率を検討される際には、合同会社(LLC)の特徴のひとつである「定款自治」を考慮されると良いでしょう。つまり、損益や権限の配分について、出資比率に拘束されず自由に決めることができるので、出資額の割合は必ずしも会社の支配権に結びつかないという認識が重要です。
(※)価額の評価が可能な財産(報酬債権や営業権等)を出資の目的とすることは認められています。

  出資金の払い込みのために使用する預金通帳は何でも良いのですか?
Answer 社員名義の預金口座(※)の通帳をご用意ください。預金口座は、従前からお使いの口座で構いません。
ただし、出資金の振込(入金)に関する記載のある通帳のページは、登記申請の際に、そのコピーを法務局に提出する必要があります。
普段お使いの口座では、通帳の該当ページに出資金とは関係のない入出金の履歴も記帳されているはずです。ご自分のプライバシーを法務局の担当者に知られるのは、あまり気分の良いものではないでしょうから、新規に口座を開設されることをお勧めします。
(※)金融機関は次のいずれかでなければなりません。
@銀行A信託会社B商工組合中央金庫C農業協同組合等D漁業協同組合等E信用協同組合等F信用金庫等G労働金庫等H農林中央金庫

  出資金の払い込みはどのようにすれば良いのですか?
Answer

面倒ですが、各出資者の出資金額ごとに払い込みをしてください。
単なる入金ではなく、出資者の氏名が通帳に記載されるように振り込みをお願いします。なお、預金口座名義人である社員に関しては、入金で構いません。

例えば、社員A及びBが合同会社(LLC)を設立する際、振込先口座を「社員Aの銀行口座」と定めた場合、社員Aの銀行口座に出資財産全額を払い込みます。払い込みをする際には、 @社員Aは自分の銀行口座に「入金」をすることA社員Bは社員Aの通帳に個人名が明記されるように、必ず社員A名義の銀行口座に「振込み」をすることが必要です。


  合同会社(LLC)の資本金の額は、いくらにすべきですか?
Answer 一般に、資本金の額が大きいと対外的な信用を得やすいといえるでしょう。
ただし、合同会社(LLC)は、各社員の個人的なスキルやノウハウ・知名度等に基づき仕事をする組織なので、必ずしも資本金の額の大きさにこだわる必要はないと考えます。
なお、運営するうえで必要な経費等から運転資金を逆算して、およそ3〜6ヵ月分の運転資金を資本金の額と定める方法もありますので参考にしてください。

  合同会社(LLC)の公告方法は、何を選択すべきですか?
Answer 合同会社(LLC)は、小規模の会社を想定して創設された事業体ですので、官報に掲載する方法を選択されることをお勧めいたします。
詳細については「株式会社の公告方法」と同様ですのでご参照ください。。

  合同会社(LLC)の事業年度を決める際に、注意すべきことは何ですか?
Answer 注意すべき点は、「株式会社の事業年度」 と同様です。

  合同会社(LLC)で使用する印鑑について注意すべき点は何ですか?
Answer 合同会社(LLC)の印鑑について注意すべき点は、「会社の印鑑について」と同様です。
なお、代表者印に関して「LLC」という文字を使用することは可能です。登記手続において「合同会社」という文字を名称中に使用しなければならないのは、登記申請関係書類や登記簿(登記記録)上の記載表現に限られています。




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