遺言書作成 相談支援:名古屋市の司法書士リーガルコンパス

名古屋近郊の遺言作成など遺産相続に関する手続や相談を支援する愛知県名古屋市東区の司法書士事務所

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よくあるご質問

遺言書はいつ書くべきなの?
遺言書について意識された今が最良のタイミングです。

遺言は、死期が迫ってから残するものと思っておられる方がいますが、人間は、いつ何時、何があるかも分かりません。いつ何があっても、残された家族が困らないように配慮することが大切です。
遺言は、後に残される家族に対する思いやりをカタチにするものです。
遺言は、自分が元気なうちに、愛する家族のために、自分に万一のことがあっても残された者が困らないように作成しておくべきものなのです。ちなみに、最近では若い方でも遺言書を書かれますし、海外旅行へ行く前等に遺言書を作成する例も増えています。


未成年者は遺言を書くことができるの?
未成年者でも、満15歳以上であれば遺言をすることができます(民法960条)。

遺言は、遺言者の最終意思を尊重する制度であるため、一般の法律行為とは異なり親権者等、未成年者が(単独で)法定代理人の同意を得ずに行った遺言も取消されることはありません。あるいは、法定代理人が未成年者にかわって遺言を行うことも許されていません(民法961条)。
ただし、有効に遺言書を作成するためには、(遺言書作成当時において)遺言の内容を理解し、その結果を認識することができる程度の意思能力(7歳程度の判断能力)が必要と解されています。
意思能力のない者が作成した遺言書は無効ですので、ご留意ください。


高齢で認知症の疑いがあるが、遺言書を作成できるの?
事理を弁識する能力(物事の正常な判断能力)を一時回復した時であれば、遺言書を作成できる可能性があります。

遺言書作当時において、遺言者本人に意思能力(遺言能力)があるかどうかが問題となります。
ご高齢で判断能力に疑問のある方は、遺言能力の有無を確認するため、医師の診断書の提出が必要となる場合があります。
遺言は遺言者の最終意思を尊重する制度であるため、成年被後見人が遺言書を作成する場合、成年後見人等の代理や同意は必要ではありません。
ただし、成年被後見人が有効に遺言するためには、医師2人以上の立会いが必要とされています(民法937条)。
【参考】被後見人の遺言の制限
被後見人が、後見の計算の終了前(後見に関する財産管理の計算が済まないうち)に、後見人またはその配偶者もしくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは、その遺言は無効になります(民法966条)。
被後見人は後見人の影響を受け易く、後見人が不当に利益を得るような遺言を残す可能性があるため、このような場合は無効と取り扱われています。
もっとも、後見人が被後見人の直系血族・配偶者・兄弟姉妹である場合には、そのような不当な遺言をの残すおそれはないとして、無効とはなりません。


聴覚や言語機能に障害のある人は、遺言を作成できるの?
聴覚や言語機能にハンディキャップのある方が、遺言書を作成することは可能です。

●自筆証書遺言
自筆証書遺言では、遺言書の全文・日付・氏名を自筆により記述しなればならないため、遺言書作成にあたり自書能力は必要ですが、聴覚や言語機能に関する障害が問題となることはございません。

●公正証書遺言
公正証書遺言では、原則として、遺言者が公証人に対して遺言の趣旨を口授し、公証人が遺言者に対して遺言内容の読み聞かせ(ないし閲覧)を行う必要がありますが、聴覚や言語機能に障害のある方につきましては、公証人の面前でその趣旨を自書することにより(筆談により)、病気等で手が不自由で自書のできない方は、通訳人の通訳を通じて申述することにより、公証人にその意思を伝えることで公正証書遺言を作成することが可能です(民法969条の2)。

●秘密証書遺言
秘密証書遺言では、原則として、遺言者が公証人や証人に対して、封書に封入した遺言書が自己の遺言書であることや、遺言者の氏名および住所を申述する必要がありますが、言語機能に障害のある方につきましては、通訳人の通訳により申述し、または封紙に自書することが認められています(民法972条1項)。

手が不自由で文字を書くことできないが、遺言書は作成できるの?
手が不自由などの理由で筆記が困難な場合は、公正証書遺言の作成をお勧めします。

●自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言書を書く人(遺言者)が遺言書の全文、日付及び氏名を自書し、押印することが必要とされています。
遺言書の全文または一部についてパソコンで作成した遺言書やレコーダーで録音したものは、法的に有効な遺言書としては認められません。
また、遺言者以外の人が遺言書を書くこと(代筆)は許されず、遺言者以外の者が添え手など補助することも原則としてとして認められません。

■参考判例
病気その他の理由により運筆について他人の添え手による補助を受けてされた自筆証書遺言は、(1) 遺言者が証書作成時に自書能力を有し、(2) 他人の添え手が、単に始筆若しくは改行にあたり若しくは字の間配りや行間を整えるため遺言者の手を用紙の正しい位置に導くにとどまるか、又は遺言者の手の動きが遺言者の望みに
まかされており、遺言者は添え手をした他人から単に筆記を容易にするための支えを借りただけであり、かつ、(3) 添え手が右のような態様のものにとどまること、すなわち添え手をした他人の意思が介入した形跡のないことが、筆跡のうえで判定できる場合には、「自書」の要件を充たすものとして、有効であると解するのが相当である(最判昭和62年10月8日)。


●公正証書遺言
遺言者が、病気その他の理由によって署名できない場合は、公証人が本人の面前で代署することが認められています。押印についても公証人が遺言者の面前で、本人に代わって行います(民法969条)。

“誰が金銭債務を相続するか”について遺言書によって自由に決めることができる?
遺言の対象となるのは、原則として、預貯金・不動産等の積極財産(プラスの資産)であり、債務のような消極財産(マイナスの財産)については、その対象とは認められません。

「債務者が死亡し、相続人が数人ある場合に、被相続人の金銭債務その他の可分債務は、法律上当然分割され、各共同相続人がその相続分に応じてこれを承継するものと解すべき(最高裁昭34.6.19)」であり、遺言で金銭債務について負担する者を定めたとしても、そのことを債権者に主張することは認められず、法定相続の割合に応じて相続人が負担することになります。


自筆証書遺言の内容を一部訂正したいが、注意すべきことは?
遺言書の偽造・変造を防ぐため、訂正方法については民法で厳格なルールが決められています。

自筆証書遺言または秘密証書遺言の内容や文字について「変更、削除、加筆」を行う必要のある場合は、法律に定められた訂正方法によって行わなければなりません。

遺言の加除、 その他の変更は、 遺言者がその場所を指示し、 これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、 かつその変更場所に押印しなければならないことになっています(民法968条)。

【訂正方法】
①遺言書に間違った箇所を指示する
②変更する箇所を実際に訂正する
③変更した旨を付記する
④付記の内容について署名する
⑤変更箇所に押印する


上記の方法に則って適切に訂正がなされない場合は、訂正が認められず、訂正する前の内容が有効なものとして取り扱われます。
※訂正方法に方式違反がある場合には、その訂正条項のみならず、遺言全体が無効になるおそれがありますのでご注意ください。

遺言書の訂正について、具体的な対応方法は次のとおりです。

●変更
①訂正箇所を二重線などで消す(元の文字が判読できなくなる程に塗りつぶしてはいけません)
②訂正箇所に押印する
③遺言書の欄外(または末尾)に「○○行目『△△△△(4文字)』を『□□□(3文字)』に訂正」と付記し、署名する

●削除
①訂正箇所を二重線などで消す(元の文字が判読できなくなる程に塗りつぶしてはいけません)
②訂正箇所に押印する
③遺言書の欄外(または末尾)に「○○行目『▽▽▽(5文字)』削除」と付記し、署名する

●加筆
①加筆箇所に「{ 」を書き足し加筆内容を付け加える
②訂正箇所に押印する
③遺言書の欄外(または末尾)に「○○行目○○字加入」と付記し、署名する

遺言者よりも受遺者(遺贈を受ける者)が先に亡くなった場合はどうなるの?
遺言者が亡くなる以前に受遺者が他界していたときは、遺言書の中の受遺者が受けるべき遺贈に関する部分については効力が生じません(民法994条)。

「以前」とは、遺言者より先に死亡した場合だけでなく、遺言者と同時に死亡した場合を含みます。
遺言は、遺言者の死亡時にその効力が発生するため、遺言の効力発生時において受遺者が存在していることが必要です。
受遺者が遺言者よりも先に亡くなっている場合には、遺言書の記載内容のとおりに遺産を分けることができません。なお、遺言書の記載すべてが無効になるわけではなく、先に他界した受遺者に対する遺贈のみが無効となるに過ぎません。
受遺者が受けるべきであった財産は、 相続財産として相続人(※)に帰属し、相続人(※)が話し合いにより分配方法を決定することになります。ただし、遺言に別段の規定があるときは、それに従います。
※遺贈とは、遺言によって財産を他人に譲ることをいいます
※「相続人」とは遺言者の相続人であり、受遺者の相続人ではありません


公正証書遺言を作成する際の「証人」とは何?
証人は、公正証書遺言が適式に作成されるかについて、立ち会い確認する者です。

公正証書遺言を作成する場合には、証人2人以上が立ち会わなければなりません(民法969条。
証人が遺言書作成途中においてその場を離れたり、手続きの途中から立ち会いに加わった場合には、原則として、遺言は無効であると解されています(最高裁昭和52.6.14判決等)。

証人の役割は、次の3点を確認して承認することです。
①遺言者に人違いのないこと(遺言者が本人であること)
②遺言者が正常な精神状態で自らの真意に基づき遺言の趣旨を公証人に口授したこと
③公証人による遺言の口述に関する筆記が正確であること


遺言の内容に利害関係を有していて、遺言者に不当な影響を与えるおそれがある者はや、一般に判断能力が十分でないと考えられる未成年者は証人欠格者として、証人になることはできません。
※証人となることができない者(民法974条)
次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。

1 未成年者
  未熟さゆえに証人となることは認められません。
  親権者など法定代理人の許可や同意があっても証人になることが認められません。
2 推定相続人・受遺者及びその配偶者並びに直系血族
  遺言内容について利害関係を有する者であるため証人になることが認められません。
3 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇人

  遺言内容を知る機会を持ち、公証人の影響を受ける関係にあるため証人とは認められません。

上記の者(欠格者)が証人として立ち会った遺言は無効となります(最高裁昭和47.5.25判決等)ので、ご注意ください。

体が不自由で公証役場まで赴くことができないが、どうしたら良いか?  
はじめに、被相続人(亡くなった方)について死亡の記載のある戸籍謄本等を取得します。

病気等で、公証役場まで行くことのできない場合は、公証人が自宅又は病院まで出張し、遺言書を作成することが可能です(公証人法57条)。その際は、公証人の手数料が割増しとなるほか、日当、交通費が加算されます。


故人について、遺言書が作成されているかどうかを調べることはできるの?
遺言書の偽造・変造を防ぐため、訂正方法については民法で厳格なルールが決められています。

平成元年以降に作成された公正証書遺言であれば、日本公証人連合会が運営する「公正証書遺言検索システム」に登載され、【公正証書遺言を作成した公証役場名、公証人名、遺言者名、作成年月日等】をコンピューターで管理していますから、全国の公証役場においてすぐに調べることができます。
なお、秘密保持のため、相続人等利害関係人のみが公証役場の公証人を通じて照会を依頼することができることになっていますので、亡くなった方が死亡したという事実の記載があり、かつ、亡くなった方との利害関係を証明できる記載のある戸籍謄本と、ご自身の身分を証明するもの(運転免許証等顔写真入りの公的機関の発行したもの)を持参し、お近くの公証役場にご相談下さい。

自筆証書遺言や秘密証書遺言では、原則として、遺言書の原本を遺言者本人が保管しており、公正証書遺言検索システムにようなインフラが整備されていないため、遺言書の有無について調査する術はありません。
したかって、相続人が遺言書を見つけ出さなければならず、探索が容易でないことがしばしばです。

事務所に赴くことが難しいが、出張相談には対応しているか?
弊事務所は、出張相談にも対応しております。

名古屋市近郊に在住のお客様であれば、お客様のご事情を伺った上、無料にてご自宅へ出張対応いたします。 次のようなご事情で、ご来所が困難であるお客様につきましても、柔軟に対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
①ご高齢のお客様
②お身体の不自由なお客様
③小さなお子様がいらっしゃるため、外出の困難なお客様
④その他、相続放棄の手続きについてご依頼を前提とされているお客様


司法書士に遺言書作成を依頼する際、あらかじめ準備しておいた方が良いことはあるの?
ご相談に際しての事前準備は特段必要ございません。

なお、司法書士と遺言書作成に関する手続きについて打ち合わせをする場合、(可能な限りで結構ですので)次の質問事項について、あらかじめ整理されますと手続きをスムーズに進めることが可能です。
① 遺言者の本籍地および最後の住所
② 推定相続人の本籍地および住所
③ 遺言対象財産の内容


土・日・祝祭日は対応可能か? 
事前にご予約いただければ、土・日・祝祭日でも対応可能です。
  
お仕事等でお忙しい方のために、土・日・祝祭日など営業時間外にも可能な限り相談等に対応いたします。
お手数ですが、お電話またはメールにてご予約をお取りください。
お問い合わせの際に、ご希望の日時をお伝えください。



(参考)登記研究720号・質疑応答
相続の放棄をした者がいる場合における相続を登記原因とする所有権の移転の登記の登記原因を証する情報
問 相続の放棄をした者がいる場合において、相続を登記原因とする所有権の移転の登記の申請をするときは、登記原因を証する情報の一部として「相続放棄申述受理証明書」ではなく、「相続放棄申述受理通知書」を提供することはできないと考えますが、いかがでしょうか。
答 御意見のとおりと考えます。
●相続放棄申述受理証明書の交付申請書●相続放棄申述受理証明書の交付申請書【記載例】