遺言書作成 相談支援:名古屋市の司法書士リーガルコンパス

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遺言と遺留分

遺留分って何?


●遺留分とは

遺言を作成する際には、遺留分に対して配慮することがとても大切です。

遺留分とは、相続に際して、相続人(兄弟姉妹を除く)が法律上取得することを保障されている相続財産の一定の割合のことで、被相続人(亡くなった方)の生前の贈与または遺贈によっても奪わうことのできない権利です。つまり、兄弟姉妹以外の相続人に対して、法律が認めた最低限の相続権です。

死後における財産の処分について、完全な自由を認めてしてしまうと、残された相続人が全く財産を享受することができなくなるという不都合な事態が起きてしまいます。
遺留分は、遺族の生活の安定や最低限度の相続人間の平等を確保するために設けられた制度です。

●遺留分を主張されると…

遺留分を主張することのできる権利を「遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)」といいます。

遺留分減殺請求権は、『権利を行使すれば、それだけで権利が実現するもの』(形成権)と解されているため、遺留分減殺請求の行使がなされると、法律上当然に減殺の効果が生じます(最高裁昭和41年7月14日判決)。
すなわち、遺留分減殺請求が行使されると、遺留分を侵害する遺贈や贈与はその効力が否定され、当然に無かったことになります。そして、遺言によって遺産を譲り受けた者(受遺者または受贈者)は、遺留分を侵害する範囲で、遺贈または贈与を受けた財産について、相続人に対して返還しなければなりません(民法1036条)。

遺留分を侵害する内容の遺言は有効です。
遺言の効力が否定されるのは、遺留分を侵害する範囲に限られます。

ただし、せっかく遺産の争いが起こらないようにとの想いから遺言書を作成しても、相続人の遺留分を侵害する場合には遺留分減殺請求を行使されるおそれがあり、遺言の内容どおりに相続させることが認められない可能性があります。
相続人どおしが、遺留分をめぐって争いをはじめてしまうのは、不本意なことです。

したがって、遺言書を作成する際に、遺留分についてしっかりと考慮することは、相続人間のトラブルを防止する観点からとても重要なのです。

●遺留分を請求できるのは?

遺留分に関する権利を有するのは、次のとおりです(民法1028条)。
①被相続人の配偶者
②被相続人の子(代襲相続人を含む)
③被相続人の直系尊属(父母や祖父母など)

※相続人であっても、兄弟姉妹には遺留分が認められておりません。
※相続放棄をした者や相続欠格者は、相続人でないため、遺留分権利者とはなりません。

●遺留分の割合

遺留分の割合は、次のとおりです(民法1028条)。
①被相続人の直系尊属(父母や祖父母など)のみが相続人である場合、法定相続分の3分の1
②その他の場合、法定相続分の2分の1


下記のとおり、整理いたします。

法定相続人法定相続分の割合 遺留分を主張する者遺留分の割合
配偶者のみすべて
配偶者
2分の1
配偶者と子配偶者:2分の1
 :2分の1
配偶者と子※4分の1
配偶者と直系尊属配偶者 :3分の2
直系尊属:3分の1
配偶者3分の1
直系尊属6分の1
配偶者と兄弟姉妹配偶者 :4分の3
兄弟姉妹:4分の1
配偶者と兄弟姉妹2分の1
兄弟姉妹なし
すべて
2分の1
直系尊属直系尊属3分の1
兄弟姉妹兄弟姉妹なし
※代襲相続人を含みます。
※相続人となる直系卑属や直系尊属が複数名いる場合、各人の遺留分割合は均等に分割します。
【例】相続人が子供2名のみのケース
子供1人当たりの遺留分割合は 、1/2(遺留分割合)に1/2(相続人の人数で等分)を乗じて算出した「1/4」となります。


お客様のご要望をしっかりとお聞きし、最良の遺言書を作成するために全力で対応いたします。
どんな些細なことでも結構ですので、お気軽にご相談ください。


 司法書士 鈴木雅勝(愛知県司法書士会所属 第1208号)

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