トップページ > How to 会社設立 > 合同会社設立のメリット
万一のとき、出資者(社員)の責任が限定される |
出資者は会社債権者に対してその出資の限度でしか責任を負いません。例えば、合同会社(LLC)の出資者である社員は、会社が多額の負債を負ったとしても、最終的には自分が出資した資金を諦めれば済むことになります(有限責任性)。
個人事業主や合名会社・合資会社・民法上の組合の出資者は、出資額を超えて会社の負債や損害のすべてについて責任を負わなければなりません(無限責任性)。
【注意点】
合同会社(LLC)の(連帯)保証人となる場合や不法行為により債権者に損害を与えた場合は、負債や損害のすべてについて責任を負います。
個人事業主や合名会社・合資会社・民法上の組合の出資者は、出資額を超えて会社の負債や損害のすべてについて責任を負わなければなりません(無限責任性)。
【注意点】
合同会社(LLC)の(連帯)保証人となる場合や不法行為により債権者に損害を与えた場合は、負債や損害のすべてについて責任を負います。
個人事業主よりも税制面で有利 |
- 税率が違います。
個人→「儲け」が増えれば増えるほど税率が高くなります。
法人→「儲け」の多い少ないに関係なく税率は一定です。 - 赤字の繰越期間が長く認められます。
個人→3年
法人→7年 - 認められる経費が多くなります。
- 資本金1000万円未満の合同会社(LLC)は、消費税の納税を2年間免除されます。
【注意点】
- 赤字の場合でも税金の支払いが必要です。
- 高額な交際費は、経費として認められません。
- 会計帳簿の作成、決算や税務申告が複雑です。
事業の継続や承継がスムーズに進められる |
合同会社(LLC)の代表者が病気やケガで働くことができない場合や万一の際にも、会社組織であれば他の者が業務に従事すると判断され、取引は継続できます。
また、会社所有の財産と個人の財産は分けて考えられますので、例えば、預金口座について代表者の万一の時に凍結の対象となるのは、代表者個人の口座のみで、合同会社(LLC)名義の口座はそのまま継続使用できます。
また、会社所有の財産と個人の財産は分けて考えられますので、例えば、預金口座について代表者の万一の時に凍結の対象となるのは、代表者個人の口座のみで、合同会社(LLC)名義の口座はそのまま継続使用できます。
決算期を自由に選択できる |
合同会社(LLC)にすると決算期は自由に選ぶことができますし、決算期を年に2回とすることも可能です。個人事業の場合は年に1回、1月1日から12月31日までと決まっています。
【株式会社と比較して】 |
損益や権限の配分について、出資比率に拘束されず自由に決められる |
会社法の施行により、株式会社が定款で法令と別の定めを置くことのできる範囲が拡大しました(定款自治)。
しかし、合同会社(LLC)では株式会社に比べてさらに広い範囲で定款自治が認められています。合同会社(LLC)の定款自治が認められる主な点は次のとおりです。
しかし、合同会社(LLC)では株式会社に比べてさらに広い範囲で定款自治が認められています。合同会社(LLC)の定款自治が認められる主な点は次のとおりです。
自由な機関設計と運営及び機動的な意思決定が可能 |
組織構成などについて社員の合意によって柔軟に決めることができます。
合同会社(LLC)では、株式会社のように取締役など法律で設置が義務付けられている機関はありません。
また、株主総会の招集手続など煩雑な手続きを踏まえる必要がないため、迅速な意思決定や会社運営が可能です。
出資者と経営者が一致している(共同事業性) |
原則として出資者全員が事業に参加するので、各社員が持つ『得意分野における強み』を最大限に発揮することができます。(なお、定款の定めにより出資だけを行う社員を置くこともできます。この場合は、一部の社員(業務執行社員)だけが業務の執行にあたることになります。)
業務執行社員(役員)の任期に関する定めがない |
株式会社のような役員の任期に関する定めがないため、合同会社(LLC)では登記など役員変更に関する手続きに時間とコストを掛ける必要がありません。
決算公告義務がない |
株式会社では、会社の規模の大小、株式の公開・非公開にかかわらず決算公告が義務付けられていますが、合同会社(LLC)には決算公告義務がありません。従って、決算公告に必要な手間やコストが発生しません。
設立費用が安い |
合同会社(LLC)では、原始定款について公証人よる認証手続が不要であり、登記申請の際に必要な登録免許税も株式会社に比べて少額で済むので、設立コストを抑えることができます。
法人1社のみで、設立及び運営ができる |
【有限責任事業組合(LLP)と比較して】 |
法人格が与えられ各種許認可の取得や契約行為の主体になりうる |
一部の許認可(例:建設業、介護事業など)では、法人であることが許認可を受けるための要件となっています。
また、法人格を取得するため、合同会社(LLC)が権利義務の帰属主体になることができます。
また、法人格を取得するため、合同会社(LLC)が権利義務の帰属主体になることができます。
社員1名(法人1社)のみが出資者となって設立ができる |
合資会社や有限責任事業組合(LLP)の場合、出資者が最低2名以上必要であるのに対し、合同会社(LLC)では、出資者1名以上で設立が可能です。
出資のみで業務権限が与えられない社員も認められる |
合同会社(LLC)では、原則として、社員全員が出資し業務を執行しますが、定款又は社員全員の同意により「業務執行社員」(社員のうち特に業務を執行する社員)を定めることによって、経営に携わらない社員を置くことが認められています。
株式会社などへ組織変更ができる |
会社の法人格の同一性を保持したまま他の種類の会社に変更することを「組織変更」といいます。合同会社(LLC)は、会社の状況に応じて、株式会社など他の種類の会社に組織変更することが可能です。
【注意点】 |
社会的認知度が低い |
パススルー課税制度(構成員課税)の適用がない |
合同会社(LLC)には、有限責任事業組合(LLP)のようにパススルー課税制度の適用が認められないため、会社の利益に対し法人税が課され、その後利益を出資者に分配をした時点でさらに課税されるという、いわゆる「二重課税」が実施されています。
計算書類の作成・保存義務がある |
合同会社(LLC)では、出資者の全員が有限責任しか負わないため、債権者を保護する制度が必要となります。会社法では、会社に対し計算書類(貸借対照表、損益計算書など)を作成し債権者に開示する義務を定めています。
出資者間の意見対立に収拾がつかなくなる |
合同会社(LLC)を運営するためには、原則として出資者(社員)全員の一致が必要となります。従って、意見対立が生じてしまうと会社運営が停滞してしまうおそれがあります。
労務の出資は認められない |
合名会社や合資会社では、信用・労務の出資が認められていますが、出資者が有限責任しか負わない合同会社(LLC)では、債権者保護の観点から信用・労務の提供を出資財産とすることが制限されています(※)。
(※)労務や信用のうち評価可能な営業権や報酬債権を出資の目的とすることは認められています。
(※)労務や信用のうち評価可能な営業権や報酬債権を出資の目的とすることは認められています。
【企業形態の特徴と比較】 |
種類 | 株式会社 | 合同会社 (LLC) |
合名会社 | 合資会社 | 有限責任 事業組合 (LLP) |
個人事業主 |
出資者の責任 | 有限 | 無限 | 無限と有限 | 有限 | 無限 | |
法人格 | 有 | 無 | ||||
権利義務の 帰属主体 |
会社 | 組合員 | 事業主個人 | |||
課税方式 | 法人課税 | 構成員 (組合員) に課税 |
事業主個人 に課税 |
|||
議決権・ 損益配分 |
出資比率による (会社法の規定の 範囲内において 柔軟に規定できる) |
定款で柔軟に規定できる | 組合契約書で 柔軟に規定できる |
- | ||
機関設計 組織内部規定 |
会社法の規定による 制約がある |
定款で柔軟に規定できる | 組合契約書で 柔軟に規定できる |
- | ||
必要出資者数 | 1人以上 | 2人以上 | 1人 | |||
決算公告義務 | あり | なし | ||||
組織再編 | 会社間で可能 | 会社との間では不可 | ||||
組織変更 | 持分会社との間で可能 | 他の持分会社 及び 株式会社との間で可能 |
会社との間では不可 | |||
定款認証 | 必要 | 不要 | ||||
設立登記 | 必要 | 不要 | ||||
設立手続 | 煩雑 | 簡便 | 不要 |